小泉八雲と
妻・セツ
明治時代に日本へ渡り、松江で英語教師として暮らした小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。そこで出会ったのが、武家の家に生まれた松江の女性、小泉セツです。
二人は結婚し、セツは八雲に多くの日本の民話や怪談を語り聞かせました。
八雲とセツが見つめた夕陽や、語り継いだ物語は、今もこの地に息づいています。
松江しんじ湖温泉を訪れ、二人が愛した「松江の風景」に触れてみませんか。
(画像提供 小泉八雲記念館)
Shinji Lake Onsen
loved by Yakumo and Setsu
湖に映る夕暮れの光、
やさしい時間。
八雲とセツが
見た風景は、
今もここで
息づいています。
松江大橋
大橋館の目の前にある松江大橋は、宍道湖から中海へと流れる大橋川に架かる橋の中で、最も古い歴史を持っています。八雲の時代には木造でした。八雲は、著書『知られぬ日本の面影』で、松江に着いた翌朝に耳にした松江大橋の下駄の音を“忘れられない響き”として描写しています。
宿の蔵 Hug
かつてこの地には、八雲が第2の住まいとして暮らした民家があり、ここで妻となるセツと出会い、約7か月間を共に暮らしました。
今もセツが水を汲んだ井戸跡が「宿の蔵 Hug」に隣接して残り、体験型ジュエリー工房「湖鳥 KOTORI」の庭からは、ふたりが見つめた老松と湖畔の景色が広がっています。
皆美館
八雲が足を運んだ旅館として知られ、他にも多くの著名な文化人、政財界人、芸術家に親しまれてきました。
館内には、島崎藤村が滞在し「山陰土産」に松江の風光や皆美館の居心地の良さを記したことで名高い「藤村の間」も当時のまま保存されています。八雲が愛した松江の情緒と、文人たちの足跡を今に伝える特別な場所です。
普門院(観月庵)
八雲がこの寺の怪談を紹介しています。
寺の近くにかかる小豆とぎ橋で、謡曲「杜若(かきつばた)」をうたうと恐ろしいことが起こるとか。
松江城の鎮護として佇むこの寺には、三斎流の茶室・観月庵があり、不昧公も堀川を舟で訪れて茶事を楽しんだと伝えられます。また、荒川亀斎作の芭蕉像を安置する「芭蕉堂」もあり、町中とは思えない静寂が漂います。
カラコロ広場
木橋だった松江大橋を渡る下駄の「カラコロ」という音に、八雲は深く心惹かれたといわれています。これが「カラコロ広場」の名前の由来。広場の壁には、八雲の来日に同行した画家ウェルドンが描いた、旅行カバンを持つ八雲の後ろ姿のレリーフがあります。京店商店街や松江堀川遊覧船の乗り場も近く、観光の拠点として便利です。広場周辺の飲食店やテラスで、ほっとひと息つくこともできます。
Matsue
loved by Yakumo and Setsu
松江城
国宝・松江城―堀尾吉晴が築いた名城は、その優雅な姿から「千鳥城」とも呼ばれます。しかし、この城には数々の怪談が息づいており、八雲もその物語を残しています。築城時の人柱伝説、盆踊りの夜に揺れた天守、石垣の下から現れた髑髏と湧水…。美しさと、不思議な物語を秘めた松江城は、今も人々を魅了し続けています。
城山稲荷神社
松江藩初代藩主・松平直政が藩の守護神として祀ったのがこの神社。
近年では『玉を持つ石狐を見つけると願いが叶う』と、パワースポットとしても人気を集めています。八雲は境内に並ぶ千を超える数の石狐を珍しがり、通勤の途中にもしばしば立ち寄りました。特に隋神門前の一対の狐が八雲のお気に入りで、現在は二代目の石狐が門前で参拝者を出迎えています。
小泉八雲旧居(ヘルン旧居)
明治24(1891)年6月から11月までの5ヶ月間、八雲がセツと共に暮らした屋敷です。庭のある侍の屋敷に住みたいという八雲の希望に適った旧松江藩士の武家屋敷で、『知られぬ日本の面影』の第16章「日本の庭」の舞台となった三方に庭が見える部屋や、八雲が好んで眺めた庭などが当時のまま保存されています。
小泉八雲記念館
八雲の生涯や功績を伝える文学館です。城下町の風情が残る塩見縄手通り沿いにあり、八雲の愛用していた遺品や自筆原稿、初版本などが展示されています。生涯の紹介に加えて、八雲が再話した怪談を聞けるコーナーや、八雲の著書や関連書籍を収めたライブラリー、ミュージアムショップも充実しています。
宍道湖漁業組合しじみ販売所
八雲は、松江に来て初めての宿・富田旅館(現:大橋館)で、しじみを食したと言われています。宍道湖は日本一のヤマトシジミの産地。その味わいを支えるのが宍道湖漁業協同組合のしじみ販売所です。獲れたての新鮮なしじみを直接購入でき、家庭用はもちろんお土産にも最適。八雲も愛した宍道湖の恵みを、ぜひ旅の思い出にお持ち帰りください。
月照寺
松江城西側にある「月照寺」は、平成8年に国の史跡に指定されました。本堂や宝物殿に続き、初代から第9代藩主までの廟所が厳かに並びます。
八雲の随筆「知られぬ日本の面影」にも登場する大亀の伝説や、様々な言い伝えの残るミステリアスな寺院です。春には約3万本のアジサイが咲き誇り、「アジサイ寺」としても知られています。
お湯かけ地蔵尊
松江しんじ湖温泉の一番奥にたたずむ「お湯かけ地蔵」。温泉が湧き出した昭和47年に建てられた温泉街のシンボルです。訪れた人はお地蔵さまにお湯をそそぎ、家族の健康や幸せを祈ります。
毎年夏には「お湯かけ地蔵尊」を地蔵盆である8月24日に供養するとともに 天然温泉の恵みに感謝する法要が執り行われています。
松江しんじ湖温泉
お湯かけ地蔵足湯
一畑電車「松江しんじ湖温泉駅」の目の前にある足湯は、旅人にひとときの癒しを与えてくれます。散策で歩き疲れたら、湯けむりに包まれながら足を休めてみてください。温泉街の玄関口にあるため、宿泊の方にも立ち寄りやすく、旅の始まりにも締めくくりにもぴったりのスポットです。
宍道湖畔・夕日スポット
宍道湖は「水の都」松江を象徴する景観であり、湖面のきらめきや沈む夕日は、古くから人々を魅了してきました。八雲もこの湖畔をこよなく愛し、特に夕景の美しさを「世界で最も美しい光景のひとつ」と称し、『知られぬ日本の面影』に描きとめています。今日では「日本夕陽百選」に選ばれる絶景スポットとして知られ、八雲が見たその美しさは、今も変わらず訪れる人々を魅了し続けています。
Model course
小泉八雲ゆかりの宿「大橋館」に宿泊し、おいしい朝食を。
大橋館の朝食は「奇をてらわず体にやさしいもの」を出されています。
一品、一品を手間をかけ、心を込めて作られ、疲れた体に優しく染みわたる味を目指しています。
レトロなデザインの「レイクライン」で
松江めぐりへ出発!
レイクラインは、松江市内の観光地などをぐるっと周る観光バスです。
レトロな高級感のあるデザインが松江の景色に映えます。レイクラインの車窓から見える松江もぜひお楽しみください。
山口薬局でお土産探し
山口薬局は、当時松江で唯一ビールを扱っていたお店(当時は、橘泉堂山口卯兵衛商店)。八雲は、晩酌のビールを山口薬局で買っていたそうです。明治中期に建てられ、当時の面影をそのまま残している歴史的建造物は、現在「まちかど博物館」として明治に使われていたアイテムなどが展示されています。八雲御用達だったお店の雰囲気を感じてみてください。
松江大橋から、八雲が愛した
宍道湖の景色を感じる
松江大橋は、宍道湖から中海へつながる大橋川にかかる、一番古い歴史を持つ橋です。小泉八雲の著書「知られぬ日本の面影」に描かれているこの橋は、松江の人気観光スポットのひとつ。きっと、八雲も松江大橋から見る景色を気に入っていたのでしょう。山口薬局を巡った後に歩いてみてください。
八雲が小豆とぎ橋の伝説を
書き残した普門院(観月庵)へ
松江城を築いた堀尾吉晴公が造成した寺院。松江市指定文化財の茶室「観月庵」もあり、四季折々の美しい表情を見せてくれます。寺院の近くにある「小豆とぎ橋」で謡曲杜若(かきつばた)をうたうと、恐ろしいことが起こるという伝説があり、八雲も怪談として紹介しています。観月庵では、抹茶と一緒に季節の和菓子をいただくことができます。日本三大和菓子処でもある松江の和菓子もご堪能ください。
八雲ゆかりの月照寺で
大亀の寿蔵碑にまつわる伝承を感じる
和菓子を堪能したあとは、大亀がいる月照寺へ。境内にある大亀の石像は、夜な夜な市内に出て暴れまわったという伝説があり、八雲の怪談にも登場しています。また、6月になると約3万本のアジサイが美しく咲き誇り「アジサイ寺」とも呼ばれています。八雲も、このアジサイたちに心奪われていたかもしれません。大亀は実際に見ると迫力満点です。
カラコロ広場で八雲のレリーフと
一緒に記念撮影!
レトロな落ち着いた雰囲気のあるカラコロ広場は、松江市民の憩いの場。ここには、来日に同行した画家ウェルドンが描いた旅行カバンを持つ後ろ姿の八雲レリーフがあります。旅の記念に一枚撮影してみてはいかがでしょうか。この広場には椅子もありますので、旅の休憩にもピッタリです。
八雲がたずね歩いた寺町を散策
松江市寺町には、歴史あるお寺がたくさんあります。松江大橋や大橋館に近い場所にあり、八雲も訪ね歩いていた町です。近年はカフェや居酒屋などの飲食店も増え、天神祭りやまつえ土曜夜市などのイベントも開催されています。松江散策を楽しめますので、お気に入りのお寺やお店を見つけてみてください。
松江城で、八雲が記した伝説の世界を体験
国宝に指定されている松江のシンボルですが、八雲にとっては不気味な怪物に見えたそうで、松江城にまつわる様々な怪談も残しています。松江城下の武家屋敷に住んでいた八雲は、日々この怪物を見ていたのでしょうか。そんな松江城は毎日多くの観光客が訪れる人気観光スポット。怪談の舞台に訪れてみてください。
八雲の愛した稲荷のいる城山稲荷神社
徳川家康の孫にあたる松江藩初代藩主松平直政が、藩の守護神として祀った神社です。近年は、パワースポットとして人気があり、玉を持つ石狐を見つけると願いが叶うといわれています。この神社には、1,000以上の石狐があり、八雲は通勤途中にしばしば訪れていたそうです。今でもたくさんの石狐が訪れる人をお出迎えしています。
八雲が過ごした旧居を訪ねて
八雲が実際に住んでいた武家屋敷。大橋川沿いの借家が手狭になったため、八雲とセツはこの武家屋敷に引っ越してきたそうです。この武家屋敷は八雲愛用の背の高い机もあり、複製の机に座って八雲の目線を体験することができます。屋敷を囲った庭も四季折々の美しい姿を見せてくれます。
(画像提供:小泉八雲記念館)
小泉八雲記念館で、八雲の足跡を辿る
小泉八雲旧居の西隣にあります。八雲の功績をたたえて建設されたこの記念館では、自筆原稿や初版本、遺愛品の展示や、その生涯について紹介されています。また、視力が悪かった八雲のために特注で作られた実際の机と椅子も見ることができます。
(画像提供:小泉八雲記念館)
松江しんじ湖温泉駅の足湯で癒されよう
八雲の生活をのぞいたあとは、足湯に癒されてみませんか。
松江しんじ湖温泉駅には、誰でも入れる足湯があります。観光でたくさん歩いた後に入る足湯は、とても気持ち良く、旅の疲れを癒してくれます。足湯には足を拭くものがありませんので、事前に準備していただくことをおすすめします。
「日本の夕陽百選」にも
選ばれている宍道湖の夕日スポット
旅の最後は、松江を代表する美しい絶景で締めくくりましょう。宍道湖と嫁が島をバックに沈む夕日は、息をのむほどの美しさ。日が沈むときだけ見れる貴重な絶景です。宍道湖周辺には、様々な夕日スポットがありますので、下記のリンクからチェックしてみてください。
八雲の足跡を感じながら、
しんじ湖温泉の温泉と料理でゆっくり宿泊
松江しんじ湖温泉には、様々なホテルや旅館があります。宿泊施設によって様々な特徴がありますが、どの施設も温泉と料理が絶品です。旅が終わる最後まで、お腹いっぱい、心いっぱい松江をご堪能ください。





















